「また左の肩甲骨の内側が痛くなってきた…」
というように、肩こりや腰痛など同じ場所が繰り返し痛み、不調に悩まされている人がいらっしゃいます。
痛みや不調の再発する人、しない人。
なにが違うんでしょうか?
自然治癒力が働いていない?
自分のからだは自分で治している
こんにちは、伊東 歩です。あなたもご存知のように、
- 包丁で指を切っても
- 風邪を引いても
身体が勝手に治してくれます。
赤ちゃんから大人まで、どんな人にも自然治癒力が働いてます。
では、
- 同じところがずっと不調
- 同じところが痛んだり良くなったり繰り返す
という場合は、自然治癒力が働いてないんでしょうか?
自然治癒力の配分
私たち治療家が鍼灸や整体の施術をするとき、いつも気をつけていることがあります。
それは、刺激量と配分。
身体のどこに、どのくらいの刺激をいれるのか。
「いま、この人の自然治癒力はこのくらいか… だったら、胃と首の調整だけにしておこう」
など。
あれもこれも気になる部分に刺激を入れていると、自然治癒力が分散されてしまい、結果的に治りが遅くなることがあるのです。
自然治癒力の限界
つまり、人の持っている自然治癒力には限りがあるということ。
たとえば、足首のねんざ。
ちょっとつまずいて、足首をひねったりすると、筋肉や靭帯が傷つきます。
そこで身体は、炎症を起こして治療を開始。
ふつうなら炎症が起きても、放っておけば治ります。
細胞修理のための炎症ですから。
でも、動きっぱなしの仕事や、O脚だったりすると、傷めた筋肉や靭帯にずっと負荷がかかり続けます。
すると、いくら自然治癒力が働いていても、
治す→負荷がかかる→痛む→治す→負荷が…
のループが始まり、
「なんだか、ず~っと痛い」
「足首が繰り返し痛む」
という状態になってしまいます。
(慢性炎症)
がんの発生も同じ理由
これが内臓の場合、がんを引き起こすことも。
胃や腸、肝臓で繰り返し炎症が起こると、内臓細胞の遺伝子異常により細胞が「がん化」。
おなじ所に負担がかかり続けると、自然治癒力が追いつかず、身体の細胞は正常な機能を保てなくなるのです。
同じ動作をしていませんか?
繰り返す負担が慢性痛の原因
「繰り返す不調や痛み」
の理由は、
「繰り返す負担」
が原因です。
内臓であれば、繰り返すストレス・ジャンクフード・病原体の刺激など。
肩こりや腰痛、膝の痛みなら、その部分に物理的に繰り返し負担がかかっていることが多いです。
あなたはドコが痛みますか?
「いつもココが痛くなる」
という場所は、どこでしょうか?
その場所に、繰り返し負担がかかっているとすれば、どんな負担でしょうか?
位置を変えてみましょう
仕事中の動き
仕事をしている人であれば、同じ姿勢で同じ動きをしていると一定の場所ばかりを使うことになります。
たとえばパソコン操作が多いなら、姿勢を変えてみましょう。
パソコンの高さを変えたり、身体からの距離を変えたり。
最近ではスタンディングでパソコンを打つ人も増えていますね。
パソコンの最適な位置
ちなみに、患者さんからよく
「わたしって、いつも猫背でパソコンを打ってます。ちょうどいいパソコンの高さってどこですか?」
と聞かれます。
私がいつもお答えするのは、
「固定せずにチョコチョコ変えましょう」
ということ。
パソコンの高さが変われば、使っている
- 眼
- 肩
- 腕
- 首
の筋肉の種類と長さが変わります。
そうすると、ひとつの筋肉、ひとつの部分に負担がかからずに分散できるから。
生活習慣も変えてみる
家事やスポーツ、そして生活習慣でもいろいろと変えてみましょう。
メジャーリーグの大谷選手・松井選手・イチロー選手は、右投げ左打ち。
投げる時は右に捻じり、打つ時は左に捻じる。
そうすると、同じ部分にだけ負担かかからず、バランスが保てるのです。
枕の高さだって、椅子の高さだって、
いろいろ変えてみればいいと思います。
- 自分に合ったポジションを探す
というより、
- ひとつに固定しない
という視点がおすすめです。
まとめ
「繰り返す不調や痛み」
の理由は、
「繰り返す負担」
が原因です。
あなたには、どんな負担がかかっていますか?
わかっちゃいるけど、やめられないのが
繰り返す負担。
猫背だって、ジャンクフードだって、お酒だって、ついつい繰り返してしまいます。
理想を目指して「止めよう!」と頑張らないで、同じものばっかりじゃなくて変えてみる。
というのもいいんじゃないでしょうか?
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