よくクライアントさんから、
「わたしのアトピーって、どのくらいで治りますか?」
と聞かれます。毎日かゆいし、寝苦しいし、好きな服が着れないこともある。
施術を受けてどのくらいの期間で改善するのか、みなさん気になるのもわかります。
今回は、
- 治りにくいアトピー
- 治りやすいアトピー
の見分け方とセルフケアについてお伝えします。
治りにくいアトピーの見分け方
身体の状態から読み取る
こんにちは、鍼灸師の伊東 歩です。
うちは病院ではないので、アレルギーの指標となる
- IgE抗体検査
- 血中好酸球数
- 皮膚テスト
などはできません。それでも、多くのアトピーの方の施術をしていると
「このタイプのアトピーは、改善に時間がかかるな」
「この状態なら、意外と早く変化がでるかも」
といった経験が積み重なってきます。
もちろん経過年数や使ってきた薬も関係しますが、身体の状態からある程度読み取ることができるのです。
治りにくい場所がある
アトピーの指標となる身体の状態というのは、
- 骨格
- 背骨の硬さ
- 頭蓋骨の形と硬さ
- 血流状態
- むくみ
- 皮膚の状態
など。
今回は、専門家ではなくても分かりやすい
- アトピーの出ている場所
で判別する方法をご紹介します。つまり、
「この場所のアトピーは、ちょっと治りにくいかも」
が分かるようになります。
まず変化が出るのは「腕」
身体の中でも違いがある
ちょっとこちらの写真をごらんください。
同じ人の腕を、【施術前】と【1か月経過】の時点で比べてみました。
明らかに差がありますよね。
では、脚はどうでしょうか?
確かに脚も良くなっていますが、腕ほどの変化はありません。
なぜ腕は治りやすいのか
理由その1:湿度が低い
写真の方の施術を始めたのは、5月下旬。ちょうど、半袖を着はじめる時期でした。
気温と湿度の両方が高くなり、服の中は「もわっ」と蒸れた状態。
でも、半袖から出ていた腕だけは、大丈夫だったのです。
「湿度が高いと潤ってラク」
というアトピーの方もいらっしゃいますが、多くのひとは、
「かいた汗が乾かなくて、かゆみが増す」
といって、つい掻き壊してしまうのです。
理由その2:熱をもちにくい
アトピーは熱をもつほど、かゆみも増します。そして、身体の熱は場所によって温度差がある。
大さっぱにいうと、身体の中心部から離れるほど温度は低いのです。つまり、胴体よりも、手足のほうが熱をもちにくいということ。
加えて、大きな筋肉を持つ脚よりも、腕の方が発熱量は少ない。また、さきほどと同じ理由で、半袖だったり生地の厚みがない腕の部分は熱がこもりにくいのです。
理由その3:関節ではない
アトピーの悪化原因のひとつは、物理的な刺激。敏感な薄い皮膚を
- 引っ掻く
- こする
- 曲げ伸ばしする
ことで皮膚が傷つき、なかなか治らなくなってしまいます。同じ腕の中でも、手首や肘の治りが遅いのは、こんな理由もあるのです。
治りにくいアトピーのセルフケア
【 熱・湿・動 】がポイント
お伝えしたように、
- 湿度
- 熱
- 動き(こすれる)
のある場所は、同じアトピーのひとでも治りにくいです。つまり、
- 胴体
- 衣服が重なり熱がこもる
- 汗腺が多い
- 汗が乾きにくい
- 関節など動きが多い
などの条件が重なる、お腹や背中、胸、腰、股、脇、首などは、他の場所にくらべて治りが遅い傾向にあります。
また、熱は上に昇る性質があるため、顔や頭も治りにくい場所といえます。
セルフケアのコツ
同じ人でも、アトピーの出ている場所によって
- 治りやすい
- 治りにくい
といった違いがある。ということは…
治りにくい場所を、治りやすい場所の状態に近づけてあげればいいわけです。
- 湿度が高い
- 熱がこもる
- 動く(こすれる)
といった治りにくい条件を少しずつ減らしていくには、
- 汗をかいたらこまめに着替える
- 寝具を干す
- 麻・綿の素材を着る
- 襟・袖の短い服
- 通気性のよい下着を選ぶ
- ゆったりした服(通気・こすれ防止)
など、とくに夏場は
熱と湿気がこもらないようにしましょう。
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