「病院に行ったら、『ストレスが原因です』って言われました」
「そんなの、分かってるっつーの!」
という方が、よくウチに来院されます。
そもそもストレスって何でしょうか??
精神的・肉体的な両面から、ストレスについて分かりやすくお伝えします。
ストレスの定義
オックスフォードの英語辞典では
英語のstressは「苦悩」を意味するdistressが短くなった言葉としています。
つまり、精神的な状態ですね。
肉体的な苦痛
生理学者のウォルター・キャノンは、肉体的・組織的な負担についても「ストレス」という言葉を使うようになりました。
ストレス学説
ストレスが身体に及ぼす影響を世に唱えたのが、ハンス・セリエ。
【外部環境からの刺激によって起こる歪みに対する非特異的反応】
要するに、
自然治癒力を越えた外部からの刺激
を、ストレス(ストレッサ―)と定義しているようです。
定義はどうでもいい
何で私だけ…
同じ職場。
同じ仕事。
同じ上司。
隣のあの人はニコニコしてる。
なのに、わたしは…
上司の臭いにイライラ
仕事の無駄にイライラ
同僚の会話にイライラ
なんで?って思いますよね。
何がちがうの??
同じ外部刺激なのに、受けるストレスのダメージが違う。
その理由は、ストレスの感受性。
これは、
- 精神的
- 肉体的
に分けてお話したほうが分かりやすいかも知れません。
ストレスの感受性
あなたの周りは肉体的ストレスだらけ
身体にとってのストレスとは、
- 温度
- 湿度
- 音
- 臭い
- 重力
- 風
- 光
- 酸化
- 運動
- 病原体
- 食事など……
こうやって挙げてみると、なんだか普通のことですよね。
いつでも、どこでもある普通のことなのに、
- 過度になる(大きな気温差・騒音など)
- 敏感になる(身体が適応できない)
と、ストレスによるダメージを受けることになります。
「今日は気温40度だってよ! 昨日は雪が降ってたのにね」
なんて気温変化は、どんな人でも体調を崩すでしょう。
でも、前日と比べて10度気温が上がったとき。
自律神経がうまく働く人は適応できますが、
- お年寄り
- 更年期
- 生理前
- 思春期
など自律神経が乱れやすい人や時期だと、いわゆる
「身体がついていかない」
状態となってしまいます。
精神的な受け取り方のちがい
精神的なストレスも、肉体的ストレスと同じです。
戦争や災害などの大きな出来事は、どんな人にとってもストレス。
でも、ある人にとっては気にならなくても、別の人にとってはストレスとなります。
たとえば…
私の嫁は、四角い部屋を丸く掃除します。
彼女にとってそれは普通ですが、私にとってそれは
大きなストレス。
この解消法はひとつ。
私が掃除をするということ。
お互いの
- 普通
- 常識
- 正しいこと
が違うのですから、しょうがないですね。
こうやってみると、
「普通・常識・正しいこと」
などの許容範囲が狭い人ほど、ストレスを受けやすいストレス感受性の強い人と言えるかもしれません。
つまり、
「掃除するなら、物をどかして隅々までする」
のが普通だと思っている私は、ストレス感受性が強いのかもしれません。
あくまで、掃除という一面だけの話のようですが、だいたいにおいて、繊細な人ほどストレスを受けやすいのも事実です(自分で言うと恥ずかしいですが…)。
結局ストレスって何?
ひとことで言うとストレスとは
許容範囲を越えて、自分に影響を与えるもの
という言い方ができます。
あなたの許容範囲は?
その許容範囲というのは、人それぞれ。
肉体的には、自律神経の乱れている人ほどストレスの許容範囲は狭くなります。
精神的には、「普通・常識・正しいこと」に対する
- 決めごとが多い
- こだわりが強い
- 思い込みが激しい
人ほど、許容範囲が狭い。
ここに、「思い通りにいかない」という要素が加わると、ストレスは倍化するのですが、話が長くなるので止めておきます。
心が狭いからストレスを感じる?
なんだか、
「ストレスを感じてる自分って、心が狭いって言われているみたい」
と思われるかもしれまんが、そうじゃありません。
素直すぎたのです。
従順すぎると言ったほうがいいかもしれません。
親や先生、社会。いろんな人から
「コレが正しい」
「こうすべき」
と言われて、それを真っ正面から受け止め、自分の中に蓄積してきたら、正しいことが増えちゃっただけ。
ストレスを減らすには
ストレスを抱たままでは、生き辛いです。
私は、肉体的・精神的ともにストレスの許容範囲を広げるための仕事をしています。
その中で感じるのは、
人が変わるには、本人以外の力が必要
ということ。
親や、先生や、社会に「正しいこと」をインプットされ続けた人間は、そのひと自身の「もがき」だけで抜け出すのは難しいと感じます。
かつての私がそうだったのですが、人の手をかりるという経験を増やすことで、「正しいこと」の許容範囲が広がっていきました。
自分の力で何とかしようとするのですが、その自分は、蓄積された「正しいこと」から答えを探そうとしてしまうのです。で、ドツボ…
身近な人、頼れる人に、思い切って手をかりてみてください。
そのとき、いったん自分を横に置いておくことがコツです。
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