食事や生活習慣、病院の治療などでアトピーは全体的に改善したけれど、どうしても顔だけが残る。
このようなお悩みの人が一定数いらっしゃいます。
その原因は、意外なところにあるかも。
今回の記事では、とくに顔のアトピーが気になる人の原因とセルフケアについてお伝えします。
なぜ顔だけ?
バリア機能が低下している
こんにちは。鍼灸師の伊東 歩です。アトピーの原因のひとつとして、肌のバリア機能の低下があります。
「背中や腕、脚の皮膚はキレイになったけれど、顔のアトピーだけが残ってしまう」
という方の顔の皮膚をみせていただくと、たしかに、皮脂が少なく、乾燥が強い。バリア機能としては弱い場合が多いです。
ではなぜ、顔の皮膚のバリア機能が落ちるのか。
身体の内側の問題
身体の内部の問題として、いちばん影響が大きいのは血流の悪さでしょう。
皮膚のバリア機能は、主に【 皮脂 】【 NMF(天然保湿因子)】【 セラミド 】が担っています。
そのどれもが、血液の中に含まれる栄養や水分によって造られているのです。
ですから顔の血流が悪く、皮膚の潤いを保つための材料が届かないとバリア機能は低下してしまいます。
身体の外側の問題
顔というのは、常に外気にさらされています。
身体の場合、服を着れば外気から守られますからね。
そういった意味で、顔と手は、アレルゲンからの外的な刺激を受けやすい部分。
手は水仕事や摩擦によって。
顔は紫外線やお化粧、ホコリやダニによって刺激を受けやすいので、他の部分よりも外的な条件が悪いといえます。
顔のアトピーが出る原因
紫外線やお化粧による刺激
おそらく、この記事を読んでいる方は、外的な要因について色々な対策をやっていらっしゃると思います。
とくに女性の場合は、お肌に合う化粧品を探したり、日焼け止めを塗ったり、スキンケアを試したり。
ですから、顔のアトピーの原因としては「内的要因」、つまり血流の悪さを考える必要があります。
男性の場合で、これまであまり紫外線対策などをしていないという方は、日光が原因のことも。
直射日光だけではなく、車の中にいても顔は紫外線にさらされています。
お仕事などで車に乗ったり、外での仕事をしている方は、ちょっと注意してみましょう。
肩こり・首こりが原因
肩や首の筋肉が硬くなると、頭部への血流が悪くなりやすいです。
たとえば、日々の施術で分かりやすいのが「眼精疲労」。
首と肩の筋肉をゆるめると、
- 涙があふれてくる
- まぶしく感じる
- 焦点が合いやすくなる
という状態になります。
これは、今まで肩こり・首こりによって妨げられていた頭部への血流が回復して、眼が養われた結果起こること。
目は脳に並んで血流を必要とする臓器なので分かりやすいですが、これは顔の皮膚も同じなのです。
皮膚が栄養不足になれば、新陳代謝が遅くなり、バリア機能も弱くなり、アトピーの状態は悪くなってしまいますからね。
なぜかみんな猫背…
顔のアトピーで悩んでいる人の姿勢には、特徴があります。
それは、猫背。
しかもくび猫背といって、襟首のあたりが丸くなるタイプ。
ちょうど、指先が指しているあたりの背骨が、後ろに向かって丸く凸型になっているのが触ると分かります。
このくび猫背とセットなのが、ストレートネック。
ちょっと試していただきたいのですが…
わざとアゴを突き出してみてください。
首のうしろが詰まった感じになりませんでしたか?
同時に、なんとなく目や顔、頭が脈打つような、血流不足の状態が起こります。
猫背&ストレートネックの方は、このような状態が長く続いているのです。
自律神経の緊張
これは「首こり」「ストレートネック」と関わりが深いのですが、首のつけ根のあたりの筋肉が硬くなり、頸椎(首の骨)が詰まってくると、自律神経のバランスをくずしやすくなります。
とくに交感神経の影響によって、頭痛、目の乾き、そして皮膚状態の低下を招くことがあるのです。
セルフケア方法
美容鍼という選択
セルフケアとは言えないのですが…
うちで施術するアトピー専門整体では美容鍼は行わないのですが、
「美容鍼をやったら、顔の状態が良くなった」
という話は聞きます。
直接顔に鍼をすることで、顔の皮膚の血流が上がりますからね。
もし試してみたいという方は、お近くの鍼灸院へ。
(リフトアップ目的ではないので、美容に特化した鍼灸院でなくても大丈夫です。いちおう、電話で確認してください)
肩こり・首こりをゆるめよう
はっきり言って、何でもいいです。
ストレッチ・体操・ヨガ・マッサージ・ファイテンやピップエレキバンのような貼付け用品…
とにかく、首や肩が楽になることをしてみましょう。
コツは
- 痛くしない
- 頑張りすぎない
- 長くしない
こと。
首や肩の筋肉はデリケートなので、強く長い刺激は逆効果になりやすいからです。
くび猫背&ストレートネックを解消
じつは「くび猫背」は、施術をしていても難しいなぁと感じる部分のひとつです。
というのも、背骨の中でも特に可動域が少ない、つまり使わない所なので、放っておくとすぐに硬くなってしまうから。
そして可動域が少ないので、普通にストレッチや体操をしても、なかなか弛まない。
ですから、タオルなどの補助ツールを使ってみましょう。
バスタオルを丸めて、その上に寝っ転がるのです。
ちょうど、くび猫背の部分がタオルに当たるように位置を調節してください。
その状態から、腕を身体の横に広げて、胸が広がるようにしましょう。
コツは、できるだけ背中や胸のチカラを抜くこと。
そうすれば、背骨の柔軟性を取り戻しやすくなります。
無理をしないで、少しずつやってみてくださいね。
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