アトピーの悪化を【冷え性対策】で食い止める

アトピーで悩んでいる人には、なぜか冷え性が多い。そして冷えが取れて身体が温まってくると、アトピーの状態も軽くなっていきます。

これは、日々施術をしていて実感すること。

今回の記事では、冷え症タイプのアトピーを、どうやったら楽にできるのかをお伝えします。

アトピーと冷え性の関係

こんにちは。鍼灸師の伊東 歩です。アトピーに限らず、身体に冷えを抱えている人はアレルギーに悩まされる人が多いと感じます。

冷え性はアレルギーに悩まされる

たとえば花粉症。
自律神経のバランスをとったり、背骨や頭蓋骨を調節して脳脊髄液の流れを良くしても、なんとなく鼻がムズムズ、眼はチクチクする。

そういう場合は、ほぼ間違いなく、身体のどこかに冷えを抱えています。

アトピーも同じで、かなり肌の状態が良くなってきても、「あともう少しなんだけどな」というときは、どこかに冷えが隠れていないかを探ります。

手足冷えタイプ

いわゆる「末端冷え性」と呼ばれるタイプの冷え性ですね。

このタイプの方のアトピーは、お腹や背中などの体幹部に出やすい傾向にあります。

下半身冷えタイプ

脚や腰は冷えるけど、上半身、とくに顔が火照って汗をかくのがこのタイプの特徴。

アトピーは首やおでこ、頭皮に出やすくて、しかも赤みが強いことが多いです。

全身冷えタイプ

アトピーと全身冷えが合わさった人は、よく「背中が冷え冷えする」とおっしゃいます。

このタイプはとくに、肺の機能が生まれつき弱い体質の人に多いですね。皮膚の乾燥が強いのが特徴です。

内臓冷えタイプ

冷え性の自覚がないのが、このタイプ。ですけれども、お腹をちょっと深く押してみると

  • 固い
  • 痛い
  • 拍動する

などの特徴がみられます。
解毒の肝臓・排泄の腎臓・酸素の肺・腸内環境の腸など、どの内臓が冷えているかによって皮膚の状態が変わってきます。

 

どうして冷え性だとアトピーが出やすいのか

皮膚に熱が留まっている

アトピーが出ている皮膚を触ると、「温かい」「熱い」と感じることがあります。

「温かいのに冷え性?」

と思いますが、この状態は東洋医学的にみると

身体が冷えていて、熱が外に発散されず皮膚で留まっている状態

なのです。

東洋医学はバランス重視

東洋医学では、【バランス】を重要視して施術を進めていきます。

アトピーに限らす、何か身体に問題があるとき、必ずどこかに【アンバランス・偏り】があるからです。

その偏りを見つけて、鍼やお灸、整体術を使って循環させる手助けをすると、あとは身体が勝手にバランスを取り戻す。
いわゆる自然治癒力が発揮されれば、身体の状態は本来の状態に戻っていきます。

熱を発散しきれない体質

アトピーは多因子、つまり色々な原因が絡んでいる状態です。ですから単純に「冷えを取れば大丈夫」とは言えません。

ただ、大きな傾向として

  • 身体のどこかに冷えがあり、その影響で熱が体外に排出されず皮膚に留まっている状態

であることが多いことは、長く臨床を経験してきて感じること。

そのような人に、冷えを温め、皮膚に溜まった熱を取り去る施術をすると、状態が変わりはじめます。

冷え性とアトピーのセルフケア

漢方薬で冷え性とアトピーを

私がクライアントさんにおすすめしているのが、漢方薬。

アトピーを狙ってというより、冷え性の解消+かゆみの除去という処方を薬剤師の先生にお願いしています。

基本的に漢方薬は舌や脈、お腹をみて、体質を見極めてくれる専門の薬剤師の先生にお願いしたほうが間違いありません。

ですが、目安を挙げておきますね。

【 体力が弱い冷え性 】
八味地黄丸(はちみじおうがん)・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

【 末端冷え性 】
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)

【 血のめぐりが悪い・経血に塊り 】
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

【 冷えのぼせタイプ 】
加味逍遙散(かみしょうようさん)

これらの漢方薬に、石膏(せっこう)・蝉退(せんたい)・苦参(くじん)など痒みを止める生薬を合わせてもらいましょう。
※ 薬剤師の先生にはそれぞれ方針がありますので、よくご相談ください。

セルフお灸をツボに

どんなタイプの冷え性にしても、冷えているのは身体の深部。そんなときは、お風呂に入ったり厚着をするよりお灸がいいです。

ピンポイントのツボを温めることで、熱が深部まで届きますから。

市販の「せんねん灸」を使って、セルフ灸をしてみましょう。

冷えに良いツボはいくつかありますが、万能ツボとして関元(かんげん)をご紹介します。

関元にお灸をして冷え性を改善する

おへその下、指4本分くらいの所で、触るとなんとなく凹む冷えている所、硬いと感じる所にお灸を置いてみましょう。

できるだけ温度の低いお灸で、3~4個、連続で使ってください。

食事によって肌の状態が左右される人は、このツボが特におすすめです。

腹式呼吸で酸素を燃やす

どんなに冷えている人でも、腹式呼吸を数分続けると、からだが温かくなってきます。

これは、

  • 血中の酸素が増える
  • 横隔膜の上下で血流があがる

といった影響によるもの。
冷え性&アトピーのベースには、必ず呼吸の浅さが隠れています。

難しく考える必要はありません。
息を吸ったとき下腹をふくらませ、吐くときに下腹を凹ませるだけで大丈夫。

ポイントは、腰を伸ばすこと。背中や腰が丸まっていると、うまく息がお腹に入らないのです。

瞑想のときの姿勢 悪い例

腰のところにクッションを置いたりして、腰を伸ばしてためしてみてください。
血のめぐりが良くなり、温まってきますよ。

イスを使っての瞑想の良い姿勢

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