適度な頬の赤味は、健康的な印象をあたえます。
でも、あまり赤すぎると困りもの。
「頬の赤味を取りたいんですけど…」
と、いわゆる「赤ら顔」で悩んでいるクライアントさんも少なくありません。
今回は、簡単に頬の赤味を取り、赤ら顔を改善する3つのツボをお伝えします。
赤ら顔の原因
記事を読んでいただき、ありがとうございます。
あなたの「やってみよう!」という気持ちを応援する、セルフケアお助け鍼灸師の伊東 歩です。
赤ら顔になってしまう原因はいろいろありますが、ほとんどの原因に共通しているのが
毛細血管が広がっている
という状態です。
毛細血管の拡張
皮膚の色が赤いということは、つまり毛細血管が広がって血液がたくさん流れている状態。
皮膚には真皮と表皮がありますが、毛細血管はおもに真皮にたくさんあります。
なんらかの原因で真皮に流れる血液量が増えて、血管が広がると、皮膚が赤くみえるようになるんですね。
その、なんらかの原因というのを以下にいくつか挙げてみます。
- 毛細血管拡張症
- 脂漏性皮膚炎
- アトピー性皮膚炎
- ニキビ(ニキビ跡)
- 日光過敏症
- 酒さ
原因は違っても状態は同じ
顔の皮膚の毛細血管が広がってしまう原因は、上に挙げたようにいろいろとあります。
でも、「血管が広がっている」という状態は同じ。
つまり、広がっている血管を元の太さに戻して、流れ過ぎている血液の量を減らせば、顔の赤味は減ります。
なぜ血管が広がってしまうの?
毛細血管を広げて血液の量を増やすのは、身体を整えるための反応。皮膚自体のトラブルや、身体全体の不具合の場合もあります。
ストレスや寝不足、食生活、ホルモンバランスなどの影響で皮膚に炎症が起きたり、自律神経のバランスを崩して体内の熱をうまく発散できなかったりすると、身体は毛細血管を広げて問題を解決しようとします。
ただその反応が行き過ぎてしまうと、赤ら顔となってしまうことがあるのです。
東洋医学で赤ら顔を改善する
東洋医学では、顔の様子からそのひとの健康状態を判断することがあります。
たとえば、右の頬は肺、左の頬は肝臓、鼻は胃腸に何らかの問題があるなど。もし左右の頬に赤味が強いとしたら、肺と肝臓のバランスが崩れている可能性があります。
また、鼻だけが赤いようなら、胃腸に熱を持っていることも。
赤は熱
先ほど、鼻が赤いと胃腸に熱を持っているとお伝えしましたが、赤は熱を表しています。
つまり、顔に赤みが強いということは、身体のどこかに熱を持っています。それは顔の皮膚自体に熱を持っていることもありますし、臓腑の熱だったり、身体全体の熱だったりします。
熱は頭・顔面に溜まる
熱というのは、上に昇る性質があります。
いわゆる「のぼせ」などが、分かりやすいでしょう。
運動したり、入浴したり、お酒を呑んだりすると、顔が火照ってアタマが「ぼ~」っとするのは、体内の熱が上半身、とくに頭部に昇って溜まることで起こります。
このように、顔や頭は身体の熱の「溜まり場」となりやすいのです。
こんな場合、東洋医学では、熱の逃げ道をつくってあげることで頭や顔に溜まった熱を取ります。
その逃げ道というのが、ツボ。
ツボは熱の抜きどころ
たとえるなら…
地面の中にあるマグマが溜まりすぎて、地表すれすれまで下から迫ってきている。もう地面も熱くなり、上から見たら真っ赤だ。
そこでどこか一か所、火山を刺激してマグマの噴きだし口をつくってやる。
すると、その火山からマグマが噴出して、地下のマグマは減り、地面の熱や赤色もなくなる。
その、火山というのが「ツボ」にあたります。
ツボを刺激することで、身体に溜まった余分な熱を抜いてあげる。そうすると、赤味が強かった皮膚も沈静化して、色も落ち着いてくるのです。
赤ら顔に効くツボ
赤味を取る刺激方法
これからお伝えする3つのツボは、どれも顔や頭に溜まった熱の出口となってくれるツボです。
ただ、むやみに押しても熱は抜けません。「熱を抜く」という言葉どおり、抜くにはグイグイ押してはダメなのです。
瀉法(しゃほう)といって、余分なものを抜き取る刺激方法がありますので、それをお伝えします。
【 瀉法(しゃほう)】
まず、つまようじを10~20本用意して、それを輪ゴムで束ねてください。
そして尖ったほうをツボに「チョンチョン」と当てます。
ちょうど、小鳥がエサを食べるときのように、ツボに当てたと思ったら素早く引く。
これを、皮膚が少し赤くなるくらいまで繰り返してください。
コツは、
- ちょっと痛いくらいに刺激
- できるだけ早く皮膚から離す
- 長くやり過ぎない
ことです。
瀉法のコツは、こちらの動画を観るとよく分かります。
youtube動画
【ツボ(陽陵泉)で筋肉の緊張をゆるめて、脂肪を分解しやすくする秘訣】
顔の熱を取ってくれる3つのツボ
では実際に、瀉法を使ってどのツボを刺激すればいいのか。
それが、つぎに紹介する3つのツボです。
【 外関(がいかん) 】
手首の近く、外側にあるツボ。
ちょうど腕時計の文字盤のある辺りに、外関はあります。
手首を反らせると、手首にシワができます。そのシワの真ん中から、肘に向かって指3本分くらいのところが、外関です。
ここを、チョンチョンと「つまようじ鍼」で刺激してください。
外関を使うと、肩甲骨の内側のコリ感も楽になります。
【 肩井(けんせい) 】
肩井は、肩の中央部にあります。
まず首を前に曲げてください。
すると、首の骨がポコッと突き出る部分があるはず。それが、頸椎7番になります。
そのポコッと出た骨と、肩先を結んだ線のちょうと真ん中に、肩井があります。
肩井も、瀉法でチョンチョンと皮膚が赤くなるまで刺激してください。
ここは肩こりの特効穴。
肩こりというのは、肩に熱がこもっていると「コリ感」が強くなります。
ですから、ぐいぐい肩を揉むよりも、熱を抜いてあげるほうがコリ感が減ってきますよ。
【 百会(ひゃくえ) 】
熱というのは、上に昇る性質があるとお伝えしました。
そして昇りきったところが、頭のてっぺん。ここを刺激することで、「ぷしゅっ」と熱が抜けます。
左右の耳を頭のてっぺんに向かってたどると、真ん中あたりでぶつかるはず。そこが百会です。
ここは敏感なので、あまり長い時間刺激しないように注意してくださいね。
更年期によるホットフラッシュなどにも使えます。
まとめ
赤ら顔というのは、身体のどこかに熱が溜まっている状態です。その熱を、ツボを使ってうまく抜くには、3つのツボを瀉法で刺激すること。
そうすれば、熱が抜けて、顔の赤みが落ちついてきます。
ぜひ、ためしてみてください。
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