本日いらっしゃったクライアントさんから、いきなり
「ストレスと腰痛って関係あるんですか?」
と聞かれました。そして即座に
「はい、めちゃくちゃ関係あります」
とお答えしました。
その方は、職場と家庭のストレスが重なってくると、腰が痛くなるというパターンを繰り返していたのです。
西洋医学的にも、脳と腰痛の関係を研究しているそうですが、今回はそんな難しい話は出てきません。
単純に、「こうしたら、楽になりますよ」ということをお伝えします。
ストレスが原因で腰痛になる?
記事を読んでいただき、ありがとうございます。
あなたの「やってみよう!」という気持ちを応援する、セルフケアお助け鍼灸師の伊東 歩です。
この仕事をやっていると、ストレスを抱えていない人なんていないんじゃないかと思うくらい、みなさん何かしらのストレスで悩んでいらっしゃいます。
ストレスがかかると何が起こるのか
人間のカラダは、ストレスがかかると防御反応が起こります。主なものでは、自律神経系・内分泌系・免疫系への影響が大きいです。
自律神経の場合は、動悸・手汗・寝つきが悪いなど交感神経の緊張が分かりやすいでしょう。
そのほか、女性の生理周期が乱れたり、経血が薄かったり塊りが混じったりするのは内分泌系の乱れ。
またストレス過多だと風邪を引きやすくなるというのは、免疫系への影響からです。厚生労働省:休養・こころの健康
腰への影響
では、ストレスが腰にどんな影響を与えているのか。
さきほどの自律神経のなかの「交感神経」のお話をしました。
交感神経は、【闘争か逃走】に備える神経と言われていて、とにかく常にカラダは緊張状態。
たとえば、握りこぶしをギューっとつくっていれば、段々と腕が疲れて痛くなるのと同じように、腰の筋肉に痛みが出てきます。
しかもこれは、寝ている間も続いています。寝つきが悪かったり、寝ていてもすぐに目が覚めるひとは要注意。
朝起きたときから、なんだかすでに疲れているという場合は、交感神経がずっとあなたを【闘争か逃走】状態にしています。
春にストレス性腰痛が多い理由
自律神経が関わっている
ストレスというのは、人間関係や仕事の忙しさ、不安、緊張、イライラだけではありません。暑さ寒さといった環境も、ストレスになるのです。厚生労働省e-ヘルスネット【ストレス】
たとえば、春とういのは暑かったり寒かったり、寒暖の差が激しい季節。しかも「春一番」に代表されるように風の強い日が多いのも特徴です。
風が強いということは、気圧の差が大きい証拠。
つまり春は、気温・気圧ともにとっても不安定な季節といえます。
その不安定さをカバーしようと、自律神経は一生懸命、体温や血圧を調節してくれるのですが、ずっと調節し続けていると、だんだんと自律神経がオーバーワークに。すると、いわゆる「自律神経失調状態」になってしまいやすいんですね。
肝の季節は春
東洋医学では、昔から季節と臓器の関係を教えてくれていました。
春は肝。
つまり肝臓とその働きが、春という季節と密接な関係にあるので、養生の参考にするように言われています。
さらに面白いことに、春・肝・風・筋・怒 は関係が深いですよとされているんです。
まぶたの「けいれん」は腰痛サイン
「風」というのは、単純に吹く風でもありますが、身体がけいれんしたり、揺れたりすることも含みます。
たとえばストレスが続くと、まぶたがピクピクけいれんすることってありませんか?
あれも東洋医学的にみると、怒(ストレス)により肝がバランスを崩して、顔の筋が風という状態になっているとなるのです。
「こじつけじゃないの??」
と疑いたくもなりますが、長年治療をしていると、納得させられることが多いので、やはり経験医学というのはすごいなと感じます。
これを腰痛に当てはめると、ストレスによって肝臓のバランスを崩して、腰の筋肉が軽い「けいれん状態」になり、痛みが生じているとなります。
ストレスが原因の腰痛改善法
その1:ツボでセルフケア
腰痛を楽にするツボは色々ありますが、とくにストレス性の腰痛におすすめなのは、陽陵泉(ようりょうせん)というツボです。
膝のお皿の斜め下外側に、ポコッとした骨があるのですが、その骨の下の少し前あたりが陽陵泉です。
痛みを取るばあいは、鋭く早くツボを刺激します。そこで便利なのが、つまようじ。
つまようじを20本ほど輪ゴムで束ねて、即席の「鍼(はり)治療」をしましょう。
「このあたりがツボかな~」という所を、つまようじの尖ったほうでチョンチョンと突いてください。
1分くらいやっていると皮膚が赤くなりますので、そうしたら終了。
骨盤の調整もできるので、たとえば骨盤が広がって腰が痛かったり、お尻が大きくなって気になるひとは、陽陵泉おススメです。
こちらの動画で、刺激の方法をマスターしましょう!
【ツボ(陽陵泉)で筋肉の緊張をゆるめて、脂肪を分解しやすくする秘訣】
その2:腹式呼吸で流れを良くする
東洋医学の観方をすると、ストレスは肝のバランスを崩しやすいです。
とても端的にいうと、肝機能が亢進つまり高ぶるか、低下するかどちらかに偏ります。
いずれにしても、肝に血流をうながして柔らかくしておくことが肝心。
そこでオススメなのが、腹式呼吸です。
腹式呼吸をすると横隔膜が大きく動きます。すると、横隔膜とひっついている肝臓もいっしょに動くので、血液の流れも良くなり、肝臓が柔らかくなってきます。
これはクライアントさんに試してもらって実証済みなのですが、触って分かるくらい違いが出ます。
さらに腹式呼吸は、内臓全体の血流も上げるので、すぐ近くにある腰の筋肉までその影響があるんです。
もしあなたが、ストレス性の腰痛を抱えていて、しかもみぞおちあたりを指で押すと「硬い・痛い」状態なら、腹式呼吸をためしてみてください。
腰痛が楽になる前に、カラダの疲れが変わってきますよ。
腹式呼吸のくわしいやり方は、次の動画が参考になります。
【下腹ぽっこりを腹式呼吸で「キュッ」と引き締め】
その3:お風呂をうまく利用する
ストレスによってバランスを崩した自律神経を、上手にリセットしてくれるのが「お風呂」。日中ずっと緊張が続いていた神経を鎮めて、リラックスの副交感神経に切り替えてくれるのです。
腰が温まることで痛みも和らぐので、一石二鳥ですね。
でも、あまり熱いお湯につかると交感神経を刺激してしまいます。
お湯の温度が42度以上になると交感神経が高ぶってしまうので、40度以下のぬるめのお湯にゆっくりとつかりましょう。
その4:背中をストレッチ
腰が痛いと、つい腰を伸ばしたくなります。
でも、ストレスからくる腰痛のかたを観ていると、背中の筋肉がパンパンに張っている場合が多いんです。
前屈でいいので、背中を気持ちいいところまで伸ばしてみてください。
まとめ
ストレスによって、腰は痛くなります。ちょっと関係なさそうに思いますが、日々施術にあたっていると、関係が深いことがよく分かります。
ストレスによって自律神経・内分泌系・免疫系が影響を受け、そこからカラダの弱いところにダメージが溜まっていきます。
そして、とくに春は要注意。
ぎっくり腰を繰り返しているひとは、春はなるべく無理をしないようにしましょう。
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