お灸はとっても手軽なセルフケア。
うちの治療院でも、治療と治療の間を埋めるケアとして
オススメしています。
そのときに、みなさん悩むのが「お灸の熱さ」。
いろんな種類のお灸があるので、どれを選べばいいのか迷ってしまうんですね。
今回の記事では、あなたに合ったお灸の選び方、とくに熱さについて
お伝えします。
お灸は刺激量が重要
記事を読んでいただき、ありがとうございます。
あなたの「やってみよう!」という気持ちを応援する、セルフケアお助け鍼灸師の伊東 歩です。
お灸は温めるのが目的じゃない
ウチの治療院には、「お灸女子」がたくさんいらっしゃいます。
いくつになっても、「女子」です。
「お灸をすると、温かくなるのよね。あんなに小さいのにね~」
という話をよく聞くのですが、実はお灸って温まるのはオマケなんです。
たまに、お腹を触ると冷たいからといってお腹にお灸をする人がいらっしゃるのですが、脚のツボにお灸をしたほうが温まる場合が多いです。
もし単純にお腹を表面的に温めるだけなら、お腹にホッカイロを当てたり、腹巻きをしたほうが効果的。
お灸の一番の長所は、気や血の流れを良くすることです。
分かりやすくいうと、血行が良くなるんですね。
しかもそのお灸をツボに置くことで、狙った所の血行が良くなる。
たとえば婦人科の悩みによく使う『三陰交(さんいんこう)』というツボは、子宮周りの血流を改善してくれます。
お腹の深い所の血流を良くしてくれるので、お腹を直接カイロや腹巻きで温めるよりも、芯から温まってくるんです。
つまり、お灸自体の熱さで温めるのではなく、
- お灸の刺激によって特定部分の血流が良くなり
- 結果的に温まる
という順番になります。
補法と瀉法
さきほど、お灸をして温まるのはお灸自体の温かさではなく、刺激によるものだとお伝えしました。
その刺激ですが、やり方によっては逆効果になってしまうことがあります。
とくに熱すぎるお灸を使うと、抱えている身体の悩みが改善しないで、逆に重くなってしまうことも。
東洋医学では、カラダを整えるとき
「余分なものを取り去るのか、足りないものを補うのか」
という観方をすることがあります。
そして余分なものを取り去るとき、【 瀉法(しゃほう)】といって、強い刺激を瞬間的に与えます。
お灸でいうと、「熱っっ!!」というくらいの温度のお灸。
足りないものを補うときは、【補法(ほほう)】といって、弱い刺激を継続的に与えます。
お灸だと、「温かい~」というくらいの温度。
ひとによっては、「熱いほどよく効くような気がするから」といって、温度の高いお灸を選ぶことがありますが、実はそうではないのです。
あなたに合うお灸の選び方
温度が大事
原因のところでお伝えした「補法」と「瀉法」ですが、東洋医学を学んだプロでも難しいと悩むことがあります。
ですが、セルフケアとして行う場合、あなたに合っているお灸をどうやって選べばいいのか、カンタンな見分け方があります。
それは、結果。
目安は2週間。続けてみて、あなたの身体の悩みが改善したかどうかで判断できます。
そのほか、お灸の選び方としては、触った感じや状態で判断することもできます。
- 硬すぎる
- 張り過ぎている
- 熱すぎる
- 興奮・高ぶりすぎている
- 緊張し過ぎている
このようなときは、ちょっと熱めのお灸がおすすめ。逆に…
- 柔らかい
- 張りが無い
- 冷えている
- 気力・体力が足りない
というときは、弱い刺激(低い温度)のお灸を、いくつも続けてあげるといいです。
せんねん灸の場合
温度が低い(刺激が少ない)順番に並べてあります。
- せんねん灸・レインボー
- はじめてのお灸・moxa
- おQ気分
- せんねん灸・アロマきゅう
- マイルドせんねん灸・ソフトきゅう
- せんねん灸オフ・ソフトきゅう
- せんねん灸の奇跡・ソフト
- マイルドせんねん灸・レギュラー
- せんねん灸オフ・レギュラーきゅう
- 2・3・9レギュラーきゅう
- せんねん灸の奇跡・レギュラー
- せんねん灸オフ・みそきゅう
- せんねん灸オフ・しょうがきゅう
- マイルドせんねん灸・にんにくきゅう
- せんねん灸オフ・にんにくきゅう
- 2・3・9にんにくきゅう
- 強力温熱・レギュラー
- 強力温熱・にんにく
- せんねん灸の奇跡・ハード
実際に使えるせんねん灸はどれ?
クライアントさんに実際にセルフケアで使ってもらうのは、瀉法なら12番目以降のお灸。
ただ人によっては、
- マイルドせんねん灸・レギュラー
- せんねん灸オフ・レギュラーきゅう
あたりでも、お灸をしている途中で「熱っ!!」となって、かなりの刺激になっていることがあります。
その場合は、瀉法として使えます。
補法としてお灸を使って、「冷えている」「機能をアップさせたい」「血流を改善したい」なら、5番目のマイルドせんねん灸・ソフトきゅうくらいまでの温度をおすすめします。
ただ、どうしても煙が出ないお灸が良いというひとは、「せんねん灸の奇跡・ソフト」を使ってみてください。
注意事項
お灸は、思っている以上に身体に影響があります。
それは、単にお灸自体の温かさではなく、刺激によって身体の機能を変化させるから。
ですから、お酒を呑んでいるときや、妊娠時、発熱時などのお灸は控えましょう。
そして体調の変化が大きかったときは、お近くの専門家(鍼灸師・漢方医)にご相談ください。
お灸の使い方
お灸はとても便利なセルフケアですが、火を使うのでちょっとコツが必要です。
こちらの記事に詳しい使い方を説明しました。
『セルフお灸(せんねん灸)のやり方【鍼灸師が図解でわかりやすくお伝えします】』
どのツボにお灸をすればいいの?
お灸の選び方と使い方がわかったら、じっさいにツボにお灸を置いてみましょう。
あなたの悩みに合わせて、下の記事を参考にためしてみてください。
『腰痛に効くお灸は【ツボの専門家】の鍼灸師に聞いて! 【腰痛タイプ別に解説】』
『おウチで肩こり解消!「お灸をすると効くツボ」を鍼灸師あ~さんが教えます』
『冷え性に効くお灸を自宅で!安全なやり方とコツを鍼灸師あ~さんが教えます』
『セルフお灸が美容に効く!美容鍼灸師あ~さんが美肌のツボを教えます』
まとめ
お灸の選び方って、使い慣れていないとちょっと難しいかもしれません。
無難なのは、低い温度のお灸を買って始めてみること。
あまり熱いお灸で「ガマンガマン…」と頑張らないで、気持ちの良いお灸をみつけて続けましょう。
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