「猫背だとアトピーになりやすい」
と先日読んだ雑誌に、皮膚科の先生の話として載っていました。
たしかに、アトピーのクライアントさんには、猫背+ストレートネックの組み合わせが多いです。
でも、この組み合わせの人がみんなアトピーになるかというと、そうじゃない。
じつは、背骨の硬さが合わさると厄介な問題が起こります。
今回の記事では、アトピーと猫背の関係、そして猫背のセルフケアについてお伝えします。
アトピーの原因
アトピーは「多因子性」
こんにちは。鍼灸師の伊東 歩です。
アトピーに悩む人の施術をしていると、「原因というのは1つじゃないんだな」ということがよく分かります。
いくつかの原因が重なり合っていることが、とても多いのです。
しかも人によってその重なり合いが、違う。
だから、「あの人は小麦と糖質制限をしたら良くなったけど、私はダメだった」などが起こるんですね。
アトピーになりやすい原因
- 食生活
- 腸内環境
- ストレス
- 自律神経のアンバランス
- 解毒機能低下
- 排泄機能低下
- 血流・リンパの流れが悪い
- ホルモン分泌の亢進・低下
- 呼吸が浅い
- 免疫の過剰反応・反応低下
- 皮膚の乾燥
- 姿勢の歪み(猫背)
…など。
お互いに因果関係にある要素がたくさんあるので、書ききれないというのが正直なところです。
猫背はアトピーの原因のひとつ
問題は呼吸と神経伝達
たくさんある原因のなかでも、猫背が影響するのは
- 呼吸の浅さ
- 自律神経のアンバランス
の2つの要素です。
呼吸が浅くなる
ちょっと、ためしてみてください。
わざと背中を丸めて、息を吸ってみましょう。
どうでしたか?
少ししか息が吸えませんよね?
しっかりと呼吸するには、
- 肋骨が広がる
- 横隔膜が下がる
という2つの動作が必要。猫背になると、この2つが動きにくくなるのです。
呼吸が浅ければ、細胞の隅々まで酸素が届かない。
とうぜん、皮膚細胞の代謝も落ちて新しい皮膚の再生が遅れてしまいます。
首のつけ根が詰まる
先ほど、わざと背中を丸めてもらいました。
そのとき、首はどのようになっていましたか?
きっと、深く曲がっていたはず。
ストレートネックの人だと、首は曲がらず、首と頭蓋骨のつなぎ目の所が折れ曲がっていると思います。
背骨が一定以上の角度で深く曲がり、その状態が続くと、やがて神経に影響が出てきます。
人によっては「頸椎ヘルニア」として手のしびれや痛みが出ますが、自律神経もまた影響を受けてしまうのです。
自律神経と首
自律神経のバランスを崩して、
めまいや不眠、便秘・下痢
など様々な不調を訴える人の首は、そのほとんどが
ガチッと固まっているか、
ピーンと張っています。そして、首の角度が深い。
そんなとき、首の施術をして不調が楽になるのをみると、首の自律神経への影響は大きいのだなと実感します。
もちろん、アトピーへの影響も。
血流やリンパの流れ、解毒・排泄などの内臓機能、そして免疫系にいたるまで、自律神経のコントロールができていないと、皮膚の状態は落ちてしまいます。
猫背よりも深刻な問題
背骨が硬くなる
お伝えしたように、猫背は数あるアトピーの原因の中のひとつです。
そして、猫背がクセになると、どうなるか。
さらに深刻な問題である、背骨の硬化が起こってきます。
自律神経の働きが落ちる
背骨全体が硬く、動きが少なくなってくると、背骨の中を流れている「脳脊髄液」の流れが滞ってきます。
すると、自律神経に栄養が不足して、さらにアトピーの状態が悪化。
こうなってくると、食生活やスキンケア、薬などだけでは状態が変わりにくくなってしまうのです。
ですから、その手前の「単なる猫背」の段階で手を打つことが大事。
そのためのセルフケアをお伝えしますね。
猫背のセルフケア
上の動画でお伝えしたのは、どこでも簡単にできる猫背ケア。
コツは、短期間で何とかしようと焦らないこと。
動かしていれば、必ず背骨はゆるみます。
たとえ猫背の形自体は変化がないように見えても、柔らかさが出てくれば大丈夫。
自律神経に栄養が行き渡れば、皮膚の状態も変わってきます。
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