記事を読んでいただき、ありがとうございます。
あなたの「やってみよう!」という気持ちを応援する、セルフケアお助け鍼灸師の伊東 歩です。
先日来院されたクライアントさんの話ですが、パンをやめたら日光アレルギー(光線過敏症)が治ったそうです。
今回の記事では、小麦って本当にカラダに悪い影響があるの?ということについて
いっしょに考えたいと思います。
パンをやめたら体調が良くなった
パン大好きだった女性のはなし
冒頭にお話ししたクライアントさんは、約10年ほど前から、日光に当たると皮膚が赤くなりブツブツができるということに悩んでいらっしゃいました。
当院で鍼灸と整体の施術を受けるようになって、だいぶ状態は良くなっていたのですが、完全に消えるまではいきませんでした。
そんなある日、施術前に脈をとってみると、いつもと違う打ち方をしていたのです。
東洋医学の体調チェックとして「脈診」というものがあるのですが、その日は今までになくキレイな脈でした。
「仕事も忙しいし、あまり休めていないと言っていたのに、どうしてこんな脈してるんだ?」
と不思議に思ったわたしは、何かいつもと違うことはなかったか聞いてみたのです。
すると、今まで大好きで毎日食べていたパンをやめたとのことでした。
血液の流れが良くなった
なんとなく観ていたテレビの健康番組で「小麦がカラダに悪影響を及ぼす」という特集をやっていたので、しばらく止めてみようとチャレンジしたのだそうです。
その女性はパンが大好きで、施術のたびに
「あそこのパンが食べてみたい!」
「このパンは少し温めると最高に美味しい!!」
「今度の週末は話題のコッペパンを買いに行くの!!!」
と話してくれるようなかたでした。
ですから、パンをやめたと聞いて驚きました。
でも明らかに脈が違う。血液の流れが良い。
いつもは軽く触れるとザラザラとしていた流れが、つるっと滑らかになっている。
これはもう、完全にパンの影響だなと言うしかありませんでした。
日光アレルギーが改善
一番わかりやすい変化は、日光アレルギー(紫外線アレルギー・光線過敏症とも呼ばれます)でした。
一年中、帽子か日傘がマストアイテムで、それでも日差しの強い時期は肌が赤くなっていたのに、パンをやめてしばらくしたら必要なくなったのだそうです。
日光アレルギーとは、普通のひとなら問題ないくらいの日光を浴びただけで、目や肌にトラブルがあらわれる状態。
皮膚の赤味やかゆみ、湿疹などに悩まされることが多いです。
原因となる紫外線にもいろいろな波長があり、どの種類の紫外線が影響しているのか病院などの専門機関で検査することもできます。
肩こりも楽に
その女性の変化は、アレルギーだけではありませんでした。
慢性的に悩まされていた肩こりも、ずいぶんと楽になったのだそうです。
実際に肩に触れてみると、いつもの硬さが、いくぶん緩んでいました。
そして鍼治療をするときの痛みも少なく、わずかな刺激で筋肉が柔らかくなったのです。
「マジ?」
と思いました。
パン、小麦、グルテン…いろいろとカラダに影響はあるだろうなとは感じていましたが、まさかこれほどとは。
小麦が合わない体質もある
東洋医学の健康観
多くの病院が行なっている西洋医学と、わたしたち鍼灸師が行う東洋医学の違いは、いろいろとあります。
そのなかでも「個性を重要視している」という点が、東洋医学の特徴です。
つまり、人によってカラダは違うので、それぞれに合った養生や施術をしましょうということ。
人によって体質は違うので、
塩分が悪いとか、トマトが良いとか、ココナッツオイルが良いとか悪いとか
単純には言えないんですね。
先天的なエネルギー不足である「腎虚体質」のひとが塩分を制限しすぎると、体力が落ちて、足腰が弱くなることがあります。
また、トマトがカラダに良いからといって、胃腸の弱い「脾虚体質」の人が食べ過ぎると、内臓を冷やして栄養が吸収できないことだってあるんです。
消化酵素だって人によって違う
たとえば、牛乳を飲むと消化不良になり下痢を起こす乳糖不耐症。
あ、ワタシです…
昭和生まれの私は、下痢するのを分かっていながら
無理やり給食で飲まされていました。
サイアクです。
平成に生まれたかった…
これは、食事などで消化管に入った乳糖(ラクトース)を消化するための酵素(ラクターゼ)が少ない人に起こります。
このように、同じものを食べたとしても、人によって持っている酵素が違うので反応もそれぞれ。
小麦に含まれるグルテンにも、不耐症のひとがいます。
『ジョコビッチの生まれ変わる食事』という本はご存じですか?
世界ランク1位にまでなったテニスプレイヤーである、ノバク・ジョコビッチ。試合中に倒れ込むなどの体調不良を抱えていた彼は、乳製品と小麦に不耐症があったのです。
小麦に含まれるグルテンの不耐症とは、グルテンを完全に消化するために必要なプロテアーゼ・エンドペプチダーゼという酵素が足りないために起こります。
このように、人によって持っている酵素が違うので、一概に
小麦はカラダに悪影響があるからやめましょう
とは言えないんです。
同じ小麦でも違いがある
さらに小麦といっても、その品質はピンキリ。
遺伝子組み換えによる品種改良と大量の農薬の影響は、計り知れません。
先日嫁が買ってきて、一週間以上忘れ去られていたパンには、カビも生えていませんでした。(危うく子供に食べさせるところでした…)
怖いです。
まずは一か月試してみよう
仕事がら、わたしは
「小麦ってカラダに悪いんですか?」
「やっぱり塩分は控えたほうがいいですか?」
「何分くらい運動すればいいですか?」
「どんな枕が合っていますか?」
「テレビで〇〇が良いって言ってたけど、どうなんですか?」
など、いろんな質問を受けます。
そんなときは、いちおう教科書的な説明をしたあと
「まずは一か月、やってみましょう」
とお伝えしています。
カラダに合っていれば、何かしらの変化があるはずですから。
そのときに大事なのが、あなたの感覚。
「なんとなく、気のせいかもしれないけど、良いかも」
という曖昧で微妙な感覚を信じてください。
感覚を磨きましょう
食事を工夫したり運動をしたりしてカラダに刺激を与えると、何かしらの反応が必ずあります。
もちろん合っていなくてマイナスに出る場合もあれば、プラスもある。
その差を感じる練習をするのです。
そうしていると、だんだんと本来持っていた感覚が蘇ってきます。
感覚が敏感になれば、小麦が自分にとって合っているのかどうか、この小麦は匂いがおかしい、ここの小麦製品は控えよう、などの判断ができるようになります。
どこかのコメンテーターが話した一般論よりも、あなたの感覚を信じましょう。
まとめ
小麦がカラダに悪影響があるのか。
結論としては、影響が出る人と、出ない人がいる。
人によって体質も違うし、持っている酵素も違う。だから、小麦は良い悪いと、乱暴に決めつけないという考え方が大事です。
冒頭にご紹介したクライアントさんは、小麦の影響が大きかったので、パンをやめたことによっていろんな変化がありました。
でも、日光アレルギーのひと、肩こりのひとがみんな、パンを食べなければ改善するわけではありません。
もし気になるなら、まずは試してみましょう。
そしてカラダの反応を感じてください。
きっと、答えが出てきますよ。
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