子供の便秘を解消してあげよう! 25年の施術経験をもとに鍼灸師が分かりやすく解説

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こんにちは。『キレイの実』編集長&鍼灸師の伊東歩です。

今回は、子どもの便秘を解消するために
【食べ物・体操・ツボ・姿勢のクセ・マッサージ・漢方薬】
の6つの観点からコツをお伝えします。

お子さんが、ウンチが出なくて痛そうにしているのは、見ているほうもツラいもの。
また、ある程度育ってきたら、トイレ事情が見えにくくなるので「大丈夫かな…ちゃんと出てるのかな…」と心配になります。

もしご自身が便秘なら、同じようなツラい思いはさせたくないですよね。

記事のなかでは、お子さんの便秘の程度によって「まず何をしたらいいのか」「そして、どうしたらスッキリとウンチが出るようになるのか」を、主夫として子育てをしてきた経験も交えながら、実践的な子供の便秘解消法をお伝えします。[/surfing_voice]

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うちの子もあんまりウンチが出てないみたいだから、「毎日ヨーグルト食べなさい!」って言ってるんだけどね。
なかなか出てこないのよ…[/surfing_voice]

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そうなんですね…。お子さんの状態によっては、ヨーグルトじゃなくて他の方法が合っている場合もあるので、これからいっしょに考えていきましょう。[/surfing_voice]

子供が便秘になる原因

子供の便秘の原因は、大人とはちょっと違います。
原因として考えられるのは以下のようなもの。

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  • 先天的な問題…鎖肛・ヒルシュスプルング病
  • トイレトレーニング時期の関わり方
  • 痛いから出さない→さらに便が硬くなるという悪循環
  • 学校(園)生活で排便を我慢
  • ストレスを受けやすい
  • 食事のかたより
  • 必要な水分の不足
  • 運動が少なく腸が刺激されない
  • 夜型生活で自律神経が不安定
  • 虫歯

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詳しく知りたい人は、▼こちらの記事▼を参考に。

https://kireinomi.com/benpi-child-miwakekata

便秘の程度によって解消法は違う

子供の状態によっては、食事や運動だけでは便秘が解消しない場合があります。

たとえば、肛門の手前で、うんちが溜まりすぎて腸がふくらんで伸びているようなとき。出口で固くフタをされているので、食物繊維をとってもヨーグルトを食べても、びくともしません。

そんなときは、まずは溜まっているウンチを浣腸や薬などを使って出してあげないと、子供はいつまでも苦しい思いをしてしまいます。

この判断は、「便秘外来」や、便秘に詳しい小児科に相談するのが一番なのですが、参考までに目安をお伝えします。

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  • 便失禁がある
    便失禁というのは、硬いウンチが肛門の手前に溜まっていて、その隙間を下痢状のゆるいウンチが流れて、知らない間に漏れてしまうこと。
    子供にとってもショックなので、早めの対応が必要です。
  • うんちに血がついている
    うんちが硬いので、肛門が切れている場合があります。本人も気がついていないこともあるので、便をよく見てみましょう。
  • 便秘の期間が長い
    日々育っている子供にとって、体調によって出たり出なかったりは普通にあります。こういう時は、あまり神経質にならなくても大丈夫。
    でも、慢性的にウンチが出にくく、その経過が長いほど便が多く溜まっている可能性があります。
  • 本人がかなり痛がる
    痛い → 我慢する → 余計にウンチが硬く → さらに痛い
    という悪循環は、どこかで一度、断ち切ったほうが本人もラクになります。
    痛みの感受性は子供それぞれなので、便の溜まり具合と比例しない場合もありますが、「ウンチを出す=痛い」という刷り込みをなくすためにも、上手に浣腸や薬を使うことは有効です。
  • コロコロうんちが少ししか出ない
    毎日排便はあっても、コロコロとした便がちょっとしか出ない日が続くと、出きらない便がどんどん溜まってしまいます。
    便が腸にいる時間が長いほど硬くコロコロになりますので、便の状態と量を、子供といっしょにチェックしてみましょう。(下のブリストルスケールのイラストを参考にしてみてください)

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bristol-stool-scale3

もし、上にあるような目安に心当たりがあって、本人も苦しそうなら、まずは出すという選択をおすすめします。

まず出したほうがいい場合

浣腸

ファーストチョイスは浣腸でしょう。
今は、ドラッグストアでも子供用の浣腸を扱っています。

横向きにに寝かせて、「はぁ~~」っと息を吐かせながら、ベビーオイルを塗った浣腸をスルッと入れます。

が! そうスムーズにはいかないんですね。暴れます。嫌がります。拒否します。汗だくです…
オヤツでつったり、くすぐったり、お願いしたり、説得したり、それでもだめなら病院にお願いしましょう。

病院に行っても、暴れるものは暴れます。便秘の状態にもよりますが、医師が「浣腸がめんどくさいので薬」みたいな空気なら、別の病院を探しましょう。

病院の薬

市販でも便秘薬はたくさんありますが、小学生以下の子供には刺激が強いことが多いので、薬を考えているならまずは病院に相談しましょう。

よく効くのは、酸化マグネシウムの入った薬。「カマ」「カマグ」と呼ばれるもので、胃酸と反応して腸に届き、便に水分を引き寄せます。

使っている間に腸が慣れてしまうことが少ないので、長期戦には使いやすい薬。腸内で水を必要とする薬なので、水分を多めにとることが大事です。

浣腸や薬で便が出ると、子供も親も、ほっとすると思います。そこからが大事で、「もうあんな格闘したくない!」「あんまり薬は使いたくない」と思ったら、次の項目を参考に、普段の生活をちょっとずつ変えていきましょう。

子供の便秘解消法

それほど頑固な便秘ではなければ、ここでご紹介する解消法をためしてみてください。

便秘の原因が分かっていると、的をしぼった対策がたてやすいので、できれば うちの子供ほんとに便秘? 見分け方と原因が知りたい!の記事もいっしょに参考になさってくださいね。 

子供の便秘改善体操

こんな簡単な体操でも、子供であれば腸の刺激によって、意外に便通が変わってきますよ。
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便通を良くする食べ物

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いちばん気になるのが、食べ物だと思います。
思い浮かぶのは、食物繊維やヨーグルトでしょうか。
ただ、原因編でもお伝えしたように、「便秘に良い○○」ばかりをかたよって摂ると、予想しないところで逆効果になります。

たとえば豆や穀物などにたくさん含まれる不溶性の食物繊維ばかり摂っていると、便秘がひどくなるになることもあります。[/surfing_voice]

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ゲッ、まじ? 私は納豆でかなり便秘がよくなったから、子供にも毎回納豆食べさせてたわよ。
ダメなの?? あと、ヨーグルトはどうなのよ???[/surfing_voice]

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食物繊維には「不溶性」「水溶性」の2種類あって、とくに便秘にとって理想的な摂取割合は、2対1とされています。
納豆には、その両方が含まれていて、しかも割合もバッチリ。おススメです。

善玉菌を増やして、腸内環境を整える目的でヨーグルトを摂る人が多いのですが、子供については大人ほど期待はできないようです。

もともと、子供は大人に比べて善玉菌が多いというのが理由の一つ。
もう一つは、胃腸内視鏡外科医として腸の研究をしてきた新谷弘実医師によると、ヨーグルトをよく食べている人の腸の状態は悪いというのです。(著書『病気にならない生き方』より)

なので、子供が好きであれば構いませんが、頑張ってヨーグルトを食べさせるよりは、食事自体を工夫したほうがよさそうですね。
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なんだ…苦手なヨーグルト、せっせと食べさせてたのに、効果はそんなでもないってことね。
納豆の他には、子供が好きそうなもので何かおススメなものないの?[/surfing_voice]

【りんご】イチオシ!
水溶性の食物繊維が豊富で、しかも整腸作用のあるアップルペクチンが、りんごの皮に多く含まれています。
このアップルペクチン。みかんやキャベツ、大根などのペクチンにくらべて、悪玉菌の増殖を抑えて、善玉菌を増やすチカラが強いんです!

熱にも強いので、皮ごと煮込んだり、皮ごとすりおろしたりしてもイイですね。

【プルーン】
プルーンのいいところは、ソルビトールを含んでいること。ソルビトールは、腸の中で水分を保ってくれるので、ウンチが柔らかくなります。
うちの娘は大好物でした。

桃・イチゴ・ぶどう・りんごなどにも含まれ、ドライフルーツになるとさらに凝縮されるので、ドライアプリコットやデーツなどもおススメ。

あ、よくお菓子などに入っているのは「D-ソルビトール」といって人工的に造られたものですからね。

原材料がトウモロコシやジャガイモなのですが、遺伝子組み換えのものが使われている可能性が高いです。カラダにどのような影響があるのか全く読めないので、便秘解消を考えるなら、天然の食材を摂りましょう。

【玉ねぎ】
いろんな料理に使えるので、いつもより、ちょっと多めにしてみては?
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  • 水溶性食物繊維が多い…詰まり気味の便秘に合ってる
  • 善玉菌のエサとなるオリゴ糖が野菜の中でも豊富…玉ねぎのオリゴ糖はフラクトオリゴ糖といって、腸まで届きやすい
  • 硫化アリルが含まれている…腸のグニュグニュ運動を助ける[/surfing_su_list_ex]

【ごま】
中国では昔から「仙人の食べ物」と呼ばれるほど、ごまは栄養豊富な食べもの。細かいので、料理の中に入れちゃえば、子供も食べてくれます。

ごまの食物繊維は不溶性なので、玉ねぎやキノコ類、海藻など他の水溶性のものといっしょに摂りましょう。

そして、ごまにはオレイン酸という小腸で吸収されにくい脂質が含まれていて、大腸でウンチの滑りを良くしてくれます。
あ、ごまの殻は消化しにくいので、すりごまがおすすめ。

【調味料】
本当は、漬け物などの発酵食品を食べてくれると、とってもイイのですが…。あんまり漬け物好きの子供っていませんよね。
そこで、昔から日本にある調味料!

みそ・しょうゆ・本みりん・食酢などは、発酵調味料といって、微生物の醗酵作用を使った発酵食品です。便秘で崩れた腸内環境を整え、善玉菌を増やし、腸の動きを活発にしてくれます。

わざわざ何かを食べさせなくても、これらの調味料を使えばいいのでラクですね。ただ、添加物などの入った「しょうゆ風調味料」「みりん風調味料」ではなく、本物の醤油や味醂を選びましょう。

合成保存料や添加物、着色料は、逆に善玉菌を弱らせてしまいます。ちょっと面倒でも、商品の裏面をしっかり見ましょうね。

【けんちん汁】
一気に便秘にイイものが摂れるので、助かります。
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  • にんじん…腸の粘膜を整える
  • ごぼう…食物繊維
  • 里芋…ペクチンの整腸作用&ムチンの粘膜保護
  • 玉ねぎ…腸の動きを助ける
  • 味噌…乳酸菌・大豆イソフラボン(ポリフェノール)・メラノイジンが腸内環境を整える
  • ゴマ油(炒め油)…リノール酸が悪玉菌を抑えてくれる

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便秘解消けんちん汁のポイントは、水溶性食物繊維を多めに。
にんじん・里芋・玉ねぎ・大根…水溶性繊維が多いのでたくさん入れる
ごぼう…水溶性繊維も含みますが、不溶性繊維の方が多いので、少なめに入れる

★こんにゃくは製造過程で不溶性の食物繊維に変化してしまっているので、ナシ。

【オリーブオイル】
オリーブオイルのいいところは、含まれているオレイン酸が小腸で吸収されにくいので、大腸まで届くこと。
食べてから2時間ほどで大腸にたどり着き、ウンチを滑らかにしてくれます。

スルッと出しやすくなりますよ。

子供なら小さじ1杯をそのまま飲むといいのですが… 独特の風味もあり、飲まないですよね、きっと。

オレイン酸は熱に強いので、料理に使っても大丈夫。わたしは、炒め物のときはいつも、ゴマ油と混ぜて使っています。
ごま油は、リノール酸が悪玉菌を抑えてくれるし、ビタミンEが自律神経を整えてくれるし、おすすめです。

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ただ、わたしの料理はいつも目分量なので、2つの油の風味を活かせず、いつも「微妙な味だね…」とクレームが出ます。
まあでも、スーパーに並んでいるような「食べるプラスチック」と呼ばれる食用油を食べさせるよりは、いいかなと。[/surfing_voice]

便通に悪い食べ物

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ちょっと、食べるプラスチックって何なのよ。気味がわるいわね。
便秘に食用油がよくないってことなの?[/surfing_voice]

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いえ、便秘にというより、カラダにということ。
スーパーに並んでいる食用油の多くに、トランス脂肪酸という、分子の構造がプラスチックとよく似た化合物が入っています。

コストが安くて酸化しにくいので、メーカーはこれを売りたい。消費者は安ければいいので、これを買う。だけど中身は大丈夫?? という話です。[/surfing_voice]

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え、大丈夫なの、大丈夫じゃないの??
何かこう、科学的なデータとかあるんじゃないの?[/surfing_voice]

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はい、大丈夫というデータも、危険だというデータも、たくさん。
トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らすので、動脈硬化や心臓疾患のリスクは高まります。参照:農林水産省「トランス脂肪酸の摂取と健康への影響」
他には、妊婦や胎児への影響や、記憶力の低下や骨が弱くなるなども。

メーカーがお金を出した研究のデータは、当然メーカー寄り。政府のバックアップなら、政府の政策に沿ったデータを出してきます。
そのほか、いろいろな利害関係によってデータは歪められるのが通例なので、正直「分かんねー」といったところ。

なので、データに振り回されるんじゃなくて、元々あった食べ物の姿からかけ離れている、利益優先の人工物は控える。
そして、多少高くても、より自然に近いものを選びたいなと。

「これって、子供に食べさせたいかな?」を基準に、私は選んでいます。[/surfing_voice]

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そりゃ、子供のためには、カラダにイイものを選びたいわよ。便秘だって、食べ物で良くなるんだったら、そっちを選ぶわ。
だけど、食べるプラスチックとかそんなこと知らないし、普通に売られてるんだから大丈夫なんでしょって思うのよ。[/surfing_voice]

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実際にトランス脂肪酸は、ヨーロッパではかなり規制されていて、アメリカでは2018年までに全面禁止になります。
よく売られているコーン油、べにばな油、キャノーラ油(菜種油)などの、裏の表示を見てみてください。ショートニング・マーガリン・植物油脂とあれば、それはトランス脂肪酸。

安価なので、ファストフードやチェーン店など大量に消費するお店では、よく使われています。でも、今どき外食を無くすのって難しいじゃないですか。
大事なのは「ばっかり」に偏らないこと。だから、せめて家では、まともな油を使いたいなと思うんです。[/surfing_voice]

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そうね…。ここのところ忙しくって、スーパーのお惣菜が多かったから、そんなことも便秘に影響してるのかもね。
ゴマ油なら子供も好きだから、炒め物に使ってみるわ。[/surfing_voice]

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はい、できるところから変えてみましょう。子供のカラダをつくるのは、やっぱり食事ですからね。
あと、糖分を多くとるのも便秘にはNG。とくに、チョコレートの脂肪分は、腸の動きを弱くしてしまうと言われています。

お肉も多すぎるとNG。脂肪分が悪玉菌を増やしてしまいますので、ほどほどに。[/surfing_voice]

便を柔らかくする水分補給

子供の便秘でけっこう多いのは、水分不足。汗をかくわりに、夢中になっていて水分を摂らないと、ウンチが硬くなりやすいんですね。

よく、朝一杯の水は健康にいいといわれますが、便秘にとってはとくに大事。便を柔らかくするだけでなく、腸の動きもよくしてくれるので。

胃―結腸反射といって、胃に何かが入って膨らむと、反射的に腸が動き出すんですね。これが、「便秘には朝食をたべなさい」と言われる理由です。

ただ、別に固形物じゃなくても、水で膨らませても同じように動くので、朝起きたら水を飲ませてあげましょう。
また、多くの市販の野菜ジュースは、食物繊維もなく、栄養も壊れ、しかも意外と糖分が多いので、便秘にはあまり意味がありません。温かい白湯などで充分ですよ。

腸を動かしてくれるミネラルウオーター

ミネラルウオーターの中でも、カルシウムやマグネシウムの豊富な硬水(こうすい)は、腸を刺激して、便を柔らかくしてくれるんですね。
お子さんだと、あまり硬すぎるとマズくて飲まないと思います。「エビアン」か、炭酸の入った「ペリエ」がおススメ。

自律神経を整えて便を出す

カラダをつくっている途中段階にある子供は、自律神経もまだまだ未発達。バランスを崩しやすいんですね。

自律神経には、活発に動くための交感神経と、休息のための副交感神経の2種があって、お互いにバランスをとりながらカラダを維持しています。

本来なら、日中に交感神経が働いて活動的になり、夜になると副交感神経が働いて栄養の吸収をして、朝、吸収し終わったウンチを排泄。というのが理想のリズム。

それが、夜遅くまで起きていると、交感神経の働いている時間が長くなり、そのあとのリズムが崩れてしまうんです。
交感神経ばっかり働くようになると、ウンチをするときにうまく副交感神経に切り替わらないので、いくら腹筋を使って出そうとしても、腸自体が動いてくれない…。

先ほどの、胃―結腸反射も、リラックスした副交感神経優位の状態じゃないと、動き出さないんですね。

「いつまで寝てるの!」「早くゴハン食べなさい!!」「忘れ物ないの?!」など慌ただしいと、腸はピタッと止まってしまいます。

今までよりも少し早く寝て、その分早く起きる。
時間の余裕をつくると、気持ちの余裕もできるので、ちょっとずつ寝る時間を早めてみましょう。

腸の働きを助ける姿勢

最近、子供たちを施術していて感じるのは、猫背とフラットバック(真っすぐ腰)の子が増えてきたなということ。この2つの姿勢は腸の動きを弱めてしまうので、できれば改善したいところ。

【背筋を伸ばす】

平らなところに丸めたタオルを置きます。その上に仰向けに寝るのですが、タオルがこの位置になるように調整してくださいね。
猫背をタオルで治す簡単な方法

※裏から見た図。この位置にタオルが当たるようにして、上向きに寝てくださいね。

そして、上向きの状態のまま、ゆっくりとバンザイをしましょう。こうすると、肋骨も含めて背中がグーッと伸びていくんですね。

ウンチを出すとき、腹筋といっしょに横隔膜を使って押し出すのですが、猫背だと横隔膜がうまく使えないんですね。
また、猫背だといつも腸が押しつぶされているので、動きたくても動けない。

このストレッチで背中を伸ばしていくと、胸が開いて呼吸も深くなり、横隔膜が上下に動きやすくなりますので、おすすめです。

もっとしっかり猫背を伸ばしたいなら、こちら。猫背を伸ばす方法、知りたい? まず【姿勢チェック】してみましょう!

【腰にくびれをつくる】

最近多いのが、腰の骨が真っすぐ、つまりフラットバックの子供。
反り腰の骨格模型

中には、本来前に反っているはずの腰が、うしろに丸まっている子も。原因は

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  • 運動不足による足の筋肉の弱り
  • 腰をずらした座り方

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猫背でパソコンをすると肩がこる説明図

お子さん、こんな座り方になってませんか?

このような子に便秘が多いのですが、背骨をゆるめて腰に適度な反りが戻ると、便通もよくなります。
腰には大腸兪といって、大腸につながるツボがあったり、神経的にも腸とつながっていたりと、腸と関わりの深い場所。
将来、骨盤を歪ませないためにも、今のうちにしっかりと整えておきましょう。

ポイントは、腸腰筋を鍛えること。
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腸腰筋は、腰の骨を前から引っ張りながら支えてくれています。

この筋肉を鍛えるには、大股で歩くこと。カンタンでしょ?

毎日少しの時間でもいいので、意識して大股で歩くように、伝えてみてください。
「身長が伸びるよ」「お尻が上がるよ」「ウンチがスルッと出るようになるよ」など、本人がくすぐられるような言葉をかけながら。

あ!それと、座る姿勢のことも一緒に伝えてください。背もたれにお尻をつけるんだよって。

大股で歩くコツや、しっかりと腰を整える方法はこちらの記事を。ヒップアップに筋トレは要らない?【骨盤でお尻を上げる方法】(お母さん向けかな??)

肛門を鍛えて便を出す!

子供の便秘の多くは、直腸性便秘といって、肛門の手前の腸でウンチが詰まっているタイプの便秘。
この場合、肛門にチカラを入れたり抜いたりすることが腸の刺激となって、便が出やすくなります。

ただ、よくある骨盤底筋を鍛えるようなエクササイズは、子供にはコツがつかみにくいし、つまらないのでやらない。

そこで、「スーパーボール鬼ごっこ!」

便秘解消のために骨盤底筋を鍛える
スーパーボールをお尻にはさみながら、落とさないように鬼ごっこをするんです。

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まあ、お子さんにもよりますが、うちの娘はゲラゲラ笑いながら楽しんでいました。

ピンポン玉だと滑っちゃうので、簡単にはさみやすいスーパーボールがおすすめです。
骨盤底筋も使うので、ポッコリ下腹をひきしめる効果もアリ! お母さんもいっしょに楽しみながらやってみてください。
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綿棒で肛門を刺激

赤ちゃんにはとても有効なのですが、幼児にも使えます。
綿棒(大人用の太いもの・細いと刺激が弱いし折れるので)の先っちょにワセリンやベビーオイル、オリーブオイルなどを塗って、綿棒の頭が隠れるくらいまで肛門に入れます。

肛門を綿棒で刺激して便秘を解消
肛門にも、オイルを塗っておきましょう。

おっと、そのまえに、ウンチが出てきてもいいように、新聞紙などの上にトイレットペーパーやオムツを敷いておきましょう。

体勢は、普通の浣腸と同じく、横向きに寝て、膝を軽く抱えるように。
そして、入れる時に息を吐くか、声を出すなどして、なるべく肛門の緊張をゆるめます。

おススメは、「はぁ~~」。「ふぅ~~」よりも、お尻のチカラが抜けますよ。

入ったら、ゆっくりと出し入れしたり、肛門を広げるように回したり。あまり長く刺激すると肛門を痛めてしまうので、1~2分を上限に。

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  • 注意点…肛門が切れているときは、やめておきましょう。

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便を出しやすくするツボマッサージ

東洋医学では、胃腸や肺を、皮膚と同じと考えます。それは、食べ物や空気など、自分以外のものに触れる場所だから。
なので、カラダ表面の皮膚をよく観察すると、ニキビや肌荒れなどから、胃腸の調子を知ることができます。

外面の皮膚と、内面の胃腸や肺は、裏表でつながっているんですね。
マッサージをして腸を動かすときに、このつながりを利用すると、すっごく効果的。

マッサージには、直接腸を動かすやり方もありますが、たとえば刺激に敏感な体質の子なら、あまり強いと逆に腸が緊張してしまうことも。

ですから、ここは軽い刺激でいきましょう。皮膚と胃腸はつながっているので、皮膚をなでるだけで充分反応が期待できます。

素手でもいいのですが、スプーンを使ってみましょう。

鍼灸師の技術を、赤ちゃんや子供にも使えるように、鍼を使わない刺激法としてアレンジした「スキンタッチ」という方法があります。
スプーンや歯ブラシ、ドライヤーを使うのですが、とっても気持ちがいいですよ。

まずは、おなか。

便秘や下痢のツボ「天枢」
おへその横の「天枢・てんすう」という、大腸のツボを刺激します。

ピンポイントで押すのではなく、天枢を通過するように。肋骨のきわあたりから、下に向かってスプーンで撫でてみましょう。
天然石のツボ押し棒はツボと相性がいいので、ひとつあると便利ですよ。
便秘や下痢のツボ「天枢」をスプーンで刺激

これは、子供が自分でやってもいいですが、スキンシップもかねて、お母さんがやってあげてください。

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  • まず、片方の手でスプーンを持ち、肋骨のきわからスタート。
  • 皮膚の表面を滑らせるように、天枢を通過してパンツまで撫でる。
  • つぎに、もう片方の手の指先で、同じように撫でる。
  • これを、左右の手を交互に、「サッサッ」とリズムよく繰り返す。[/surfing_su_list_ex]

スプーン・指先・スプーン・指先…
ちょうど、犬が地面を掘り返すときの、あの左右の手を交互に動かす感じです。

左右の天枢のラインを、1分ずつくらいでオッケー。

つぎは、腰です。

便秘のツボ大腸兪をスプーンで刺激
「大腸兪・だいちょうゆ」といって、ベルトの高さの少し下、背骨から親指の幅1本半くらい外側にあるツボを刺激しましょう。

名前のとおり、大腸の不調を整えてくれるツボです。
背中から大腸兪を通過して、お尻に向かって真っすぐに軽~く。ここも、スプーンと指先を交互に撫でてあげましょう。
左右のラインを1分ずつ。

さあ、最後の仕上げは膝の下です。

目のたるみを解消するツボの探し方
膝のお皿の下に、硬い骨が縦にあります。その骨の外側、柔らかいところに、骨と並行して胃や腸のツボが並んでいます。

ここを、まとめて刺激しちゃいましょう。
足の疲れや胃のツボ「足三里」をスプーンで刺激
膝の下から足首まで、ススーッと。ここも、他と同じように。

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コツは、テレビを見ながらとかではなく、撫でている場所や、お子さんに意識を向けること。
「関係ないでしょ?」と言わずに、ぜひ!
年齢に関係なく、スキンシップは無条件に気持ちを落ち着かせてくれます。

なかなか、面と向かって話すって照れくさいですが、いいきっかけになればと思います。[/surfing_voice]

子供の便通を良くする漢方薬

大人の便秘には、「大黄」をよく使いますが、子供にはちょっと強すぎます。おすすめは

【大建中湯・だいけんちゅうとう】
中に入っている人参は、パワーアップ。乾姜と山椒は整腸作用。麦芽糖は腸内環境を整える。

【小建中湯・しょうけんちゅうとう】
上の効果に加えて、吐き気を止めて、お腹を温めてくれます。疲れやすく、体力のない子供には、こちらのほうがおすすめです。

同じ名前の漢方薬でも、生薬の量をその人に合わせて処方してもらうと、本当によく効きます。大事なのは、見立て。

~薬屋さんを選ぶ基準~
症状だけで漢方薬を決める < カラダのことをよく聞く < 脈や舌、お腹を観てくれる という順番で、信頼度が上がります。

まとめ

子供の便秘解消法には、いろいろな方法があります。
お子さんの年齢、性格、そして原因などによって、ためしてみてください。

腸は、単に要らなくなったものを出すための管ではありません。
免疫、ホルモン、メンタルなどに関わっていて、これから育つ子供にとって大事なところ。

食生活や人間関係の複雑さを考えると、「そりゃ、便秘にもなるわな」と、あきらめそうになります。
そこで、ひと踏ん張り、お子さんといっしょに頑張りましょう。

 

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